1970年代に登場したTENNISの系統と引き継ぐトリコロールラインのテニスシューズ、つま先にラバーを施したレザーシューズ「WIMBLEDON」の歴史を紹介します。
1971年 WIMBLEDON登場!
1970年、デビスカップやウイルヘルム・ブンゲルトの系統から、ご覧のトリコロールのウインブルドン・ウィルヘルム・ブンゲルトが発売されます。
同じ年にWINNERも登場します。
こちらが1971年に登場したWINNERです。ヒールパッチが青いのが特徴です。
1972年 2代目 WIMBLEDON WILHELM BUNGERT
1972年になるとご覧のウインブルドンになり、1975年まで継続販売されます。日本においても兼松が輸入・販売しており、1980年初頭まで購入できた商品です。
なお1972年には踵が青いWINNERも継続販売しています。
WIMBLEDONとWINNERの違いはソールの形状です。御覧のようにスタンスミスのソールに似たものが使用されています。
なお1972年後半にはご覧のTIE-BREAKERが登場します。(正確には1973年モデルになります)
単純に言うとWINNERがTIE-BREAKERになった感じです。
更に1972年にはモンテカルロになる前のLADYが、トリコロールのモデルの女性版として登場します。
このLADYは日本には販売されておらず、生産数も少ないのでなかなか見つからないモデルです。
日本ではモンテカルロの方が正規輸入されていました。
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1973年 WIMBLEDON その他
1973年になるとWIMBLEDONは踵のステッチが無くなります。このモデルが1975年まで継続するので、一番見つかり安いデザインになっています。
1972年のカタログに登場したTIE-BREAKERがこちら。踵のヒールパッチが青なのが特徴です。
なおソールはスタンスミスと似た様なソールが採用されています。WINNERの後継モデルになります。
ただしWINNERに比べTIE-BREAKERの方が見つかり難くなっています。
1974年 WIMBLEDON WILHELM BUNGERT
1974年のWIMBLEDONになります。形状やデザインの変化はありません。
SAMPLE? 1972年 ADVANTAGE登場!
1972年にはカタログ上ではADVANTAGEが登場します。しかし翌年1973年にはADVANTEAGEはレディースのテニスシューズへと変化します。実際に発売が確認されているのはタイブレーカーで、アドバンテージが販売されたのかは不明です。
WINERやTIE‐BREAKERに比べても非常に見つけにくいシューズです。
1976年 WIMBLEDON
1976年になるとWILHELM BUNGERTの名前がなくなります。
1977年 WIMBLEDON
1977年もWIMBLEDON表記のみのデザインとなります。
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1978年 TOM OKKER WIMBLEDON
1978年、厳密には1977年からトムオッカー・ウインブルドンとなります。
このモデルからアッパーにカンガルー皮が採用されます。なおこのモデル以前のものはカンガルー皮ではありません。更に西ドイツ製のみカンガルー皮を使用していて、フランス製にはカンガルー皮のシューズは有りません。
これ以降のウインブルドンはPUソールを採用した第2世代のウインブルドンになりますので、別に改めて紹介します。
なお第2世代のウインブルドンはグランプリという名前でも販売され、国によって表記が異なります。
このシューズがカンガルー皮だったんですね。
おまけ 1978年 WIMBLEDON ブラジル製 廉価版
1978年製のブラジル製ウインブルドンになります。
1977年頃から西ドイツ製のウインブルドン以外に南米ではブラジル製、アジアではフィリピン製が作られ、その地域で販売されていました。しかし廉価版として実際には単純な作りで西ドイツ製に比べると履き心地は劣るものでした。
南米向けに掲載された1977年のadidas広告ですが09にウインブルドン、11にデビスカップが製作され販売されていたことが判ります。ただしつま先にシェルトゥーが付いていない単純な構造となっています。
同じ年の広告ですが、キャンバス製のTENNIS、牛皮のフォレストヒルズ(誤植でhillになっています)、ROMと同じソールを採用したTOBACCO、黄色のDRAGONなど販売されていました。
当然日本での販売はありませんでしたが、フィリピン製に関しては平行輸入業者によって輸入され、西ドイツ製の半値以下で販売されていました。実際にはウインブルドンで8,000円だったのを覚えています。
ただPUソール以外のものはたまに発見しますが、やはり西ドイツやフランス製に比べると造りが良く無いですね。
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