1903年 スポルディング アスレチック ガイド
スポルディングは当時アメリカにおいて最大のスポーツ用品メーカーです。
このため1891年のバスケットボールの登場以降、いち早くバスケットへの対応を行ったメーカーでもあります。スポルディングは毎年スポーツのガイドを2回づつ発行し、インドア・アウトドアはもちろん野球やフットボールなどの競技毎の紹介もしていました。
バスケットボールとしてのガイド専用誌は1896年に発行され、毎年バスケットボールの紹介がされていました。(ほとんどはコンバースのイヤーブックのような選手紹介がメインでした)
こちらは1903年のスポルディングアスレチックガイドのシューズ紹介のページです。
フットボールシューズの紹介ですが、この時アンクルサポーターが紹介され、シューズにもアンクルパッチが装着されています。これがこの後バスケットシューズへ採用され、スポルディングが最初にアンクルパッチを採用したメーカーになります。
1905年 スポルディング バスケットボールシューズ spalding shoes
1905年にはバスケットシューズとして4種類のモデルが紹介されています。
1.BB.レザー製のアッパーにラバーソールのモデル 定価4ドル
2.BBL.上記BBのレディース版モデル 定価3.5ドル
3.IH.キャンバス製にラバーソールのモデル 定価1.5ドル
4.M.上記モデルの廉価版モデル 定価1ドル
1906年 スポルディング バスケットボールシューズ
1906年のガイドブックに掲載されたキャンバス製のバスケットボールシューズです。
値段もそのままです。
ジム(体育館)用シューズです。基本的にジムシューズがバスケット用のシューズとして使われてもいました。レザー製・キャンバス製の2種類販売されていました。
同様にレザー製のハイカットとローカットの2タイプが紹介されています。
バスケットボールシューズとしてはご覧のレザー製が紹介されています。
1905年以降バスケットボールシューズは2種類、ラバー製のものはご覧のようなソールに穴が開いたデザインが採用されていました。これは1910年代まで継続します。
バスケットボールシューズとしては、最高級のシューズとしてもう一つ紹介されています。
モデル名:BBR.「エキスパート」というモデルで、定価は8ドル。通常のレザー製の2倍の値段です。
全てこの時代のシューズは内バネ式で出来ていることがお分かり頂けると思います。
1910年代 スポルディング バスケットボールシューズ
1910年代のバスケットボールシューズです。同じ時代につま先がレザー製のモデルも存在します。
外バネ式になったモデルで1910年製とも言われていますが、正確な年代は不明です。
当然ながらアンクルパッチが付いています。もちろんヒールパッチは付きません。
ソールはご覧のように硬化してひび割れが発生していますが、ソールについた穴が判ると思います。
なお土踏まず部分にはスポルディングのマークが入っています。
1913年 スポルディング バスケットボールシューズ
1913年のスポルディング バスケットボールガイドに掲載されたキャンバスハイカットのバスケットボールシューズです。この年からソールに型が入り靴らしくなります。
初代スポルディング製ジャックパーセルの原型モデル
同じ年のジム用シューズになります。右側のハイカットはバトミントン用に使用され、この後登場する初代ジャックパーセルのデザインに採用されたモデルです。
1915年 KEDS バスケットボールシューズ
1915年製とされる初代KEDSのバスケットボールシューズです。
一説ではKEDSがバスケットシューズを発売したのは、コンバースのオールスターが登場する1年前なのですが・・・まあバスケットボールは年をまたいで試合をしますので、1915年製といっても1916年モデルにはなるので不思議ではないのですが。
1916年 KEDS バスケットボールシューズ
1916年製のKEDSバスケットボールシューズになります。キャンバス製ですが踵が付いたモデルです。
靴裏のソールにはKEDSのロゴが入ります。
1917年 KEDS バスケットボールシューズ 黒
1917年には黒のモデルも登場します。バスケットというよりはジム用シューズになります。
この年コンバースがノンスキッドとオールスターを発売します。このためコンバースがバスケットボールシューズとして登場するまではスポルディングの独占で、KEDSがそれを追って登場しコンバースへと変わっていくことになります。
ただしラバーソールを開発したのはKEDSに合併したグッドイヤー社ですので、靴の販売ではこの時代KEDSが上位でした。
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