アディダスのシグネイチャーモデルの1つであるアーサーアッシュの歴代シューズの変遷を紹介します。以前のBROGから判明した新しい内容も紹介します。
1968 USOPEN ARTHUR ASHE アマチュアとして初優勝!
1968年8月下旬から9月上旬に行われた初めてのプロも参加できるオープン大会のUSオープンにおいて、当時陸軍中尉だったアマチュアのアーサー・アッシュがプロのトムオッカーを破り初優勝しました。
その時履いていたのがコンバースのキャンバス製テニスシューズ、ネットキングです。ラケットはまだウッド製のウィルソンを使用していました。
USAの選手のほとんどは当時コンバースのシューズを履いていました。
この優勝を記念して9月20日号のLIFEの表紙を飾っています。
この時履いていたシューズがこちら。踵にはしっかり3つ星のヒールパッチが付いています。
そしてこちらが当時のコンバースのテニスシューズを紹介した広告です。ちなみにUSAの選手であるスタンスミスやジミー・コナーズもデビスカップではこのシューズを履いていました。
1969 ARTHUR ASHE SHOES
1969年になるとアーサー・アッシュはアディダスのハイレット(ロバート・ハイレット)を使用します。ラケットはヘッドの金属製を使用、有名なアーサー・アッシュ・コンペティションを使うようになります。
1969年にアディダスフランスから出されたテニスシューズのカタログです。
表紙にはジョン・ニューカムとフレッド・ストールが紹介され、次のページに白黒ですがハイレット使用選手としてアーサー・アッシュが紹介されています。
同じ1969年、アーサー・アッシュはスーパースターでも試合に出場しています。
1970 HEAD ARTHUR ASHE
1970年になるとご覧のHEADのアーサー・アッシュを使用するようになります。
こちらは1971年の全英オープンで使用したHEADのアーサー・アッシュ。
同じ1971年のフランスオープンでのシューズです。形状からして何だか分かりますか?
こちらがそのヘッドのアーサー・アッシュになります。形は全くのハイレットです。
販売先はUSAのHEAD社ですが、製造はADIDASが行っており、HAILLETのアーサー・アッシュ版といった感じどOEM製品です。
1972 HEAD ARTHUR ASHE
1972年にはハイレットと同じように小指側に補強ステッチが入ります。なおアーサー・アッシュはこのHEAD製のシューズ以外にハイレットも同時に使用しており、コートに合わせてADIDASのシューズを変えています。
1974 ADIDAS ARTHUR ASHE
1974年には上記アディダスのアーサー・アッシュが登場します。こちらは通常の牛皮ではなく軽い豚革を使用、ソールもハイレットに比べ硬い材質に変わっています。
なお1974年のウィンブルドンではご覧のアドバンテージも使用しています。こちらのシューズは数年前に復刻されましたが、形状はウインブルドンに似ていますがつま先がスエードのモデルです。
1975 HEAD ARTHUR ASHE
1975年になると再びHEAD社製のアーサー・アッシュが登場します。こちらはベロと踵のヒールパッチが赤で出来ているのが特徴です。また初期型はADIDASのアーサー・アッシュと同じ形状でサイドの通気口はハイレットと同じ形状の3本ラインになっています。
1979 HEAD ARTHUR ASHE
1979年になるとサイドのステッチはヘッドのマークに変化します。
最終的にはADIDAS製ではなくUSA製に変化します。ただHEAD社製のアーサー・アッシュは1979年で終了し、ルコックへ移動します。
1980 Le Coq Sportif ARTHUR ASHE
1980年、アーサー・アッシュのシューズはルコック・スポルティフから発売されます。ただしこのシューズを製作したのはルコックと提携関係のあったアディダス・フランスでした。
なおルコックへ移動したアディダスのアーサー・アッシュは、1980年にマッチプレイと名前を変えて継続販売されます。当時並行輸入で14,000円で販売されていました。
2013 ADIDAS MATCHPLAY 復刻
2013年にはマッチプレイが復刻され、色々な色のモデルが販売されました。
2017 ADIDAS ARTHUR ASHE 限定発売
2017年にはアディダスのアーサー・アッシュとして1975足限定販売されました。
1975年のウインブルドン優勝を記念したため1975足販売となっており、シリアルナンバーが付けられていました。
2020以降 ARTHUR ASHE SHOES
2020年にはご覧のアーサー・アッシュシューズが販売されました。
またルコック・スポルティフからも80年代のモデルが何度か復刻されています。
現在ADIDASとの関係は切れていますが、フランスのスポーツメーカーとしては古い歴史を持ったメーカーですので、一度履いてみることをお勧めします。
造りは単純なものですので、スタンスミスやスーパースターを好きな方には良いシューズです。
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