ADIDASのフォレストヒルズは1972年に最初に登場したことになっています。ただし日本での発売は無く、実際にどこで販売されたのかは不明です。
金色のラインが特徴のフォレストヒルズの歴史について紹介します。
1971年 最初に金ラインを履いたテニス選手
1971年、ウインブルドンでロッドレバーが金ラインのモデルを初めて履いてプレーしています。
ただし形状からするとフォレストヒルズではなく、スーパースターのように見えます。
(他の写真でも確認できますが、ソールサイドに全面ステッチが入っているのが確認できます。)
なおアーサーアッシュもトリコロールのスーパースターを履いていましたので、この時期ではスーパースターもテニス用として利用されていたようです。
1972年 FOREST HILLS 登場!
adidasのアーカイブ上ではご覧のシューズが1972年にフォレストヒルズとして登場したこととなっています。
2000年代以降、何度か復刻されているので発売されたのではないかと思われますが、日本でも販売は無く、テニスの大会での使用も確認はできません。(見つかったら掲載しますが・・・)
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1976年 FOREST HILLS 2nd model 登場!
1976年西ドイツにおいてご覧のフォレストヒルズが発売されます。なお下のモデルの方が先のデザインとなり、つま先の通気口が無くなりソールに赤い通気口のピンが付くのが次のモデルになります。
とりあえずトゥにガードが付いていないモデルを一緒に紹介します。
こちらがアディダスのアーカーブで保存され現存する2nd modelになります。
このモデルの特徴はベロとつま先がレザーで出来ている点と、つま先のトゥーガードが付いていない点です。
またつま先に通気口が開いていてますが、これが靴裏に移動しベンチレーションシステムとして採用されます。
1977年 FOREST HILLS 3rd model
1977年の最初のカタログに掲載されたFOREST HILLSです。実際に発売される前のプロトタイプであるためモデル名が入りませんが、ご覧のようにつま先にスエードが付き、ベロが全体にメッシュになっています。
最初のモデルはトゥガードがご覧のように濃い茶色になっていました。
しばらくするとつま先のトゥガードは黄色になり、目立たなくなります。日本で実際に販売されたのはこのモデルからになります。
実際にこのモデルは発売後22,000円だったにもかかわらずあっと言う間に売り切れました。
当時つま先メッシュが欲しくて探しましたが、東京神田のスポーツ店にしか残っておらず、他のどの店でも以降見ることはありませんでした。
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1978年 FOREST HILLS 4th model
1978年になるとフォレストヒルズのつま先はレザーに変更されます。初期型に戻った感じです。
実際履いた感じは前のつま先がメッシュのモデルの方が通気性が良く、夏に履くには良いと感じますが、このモデルはレザーなので通気性が無くて履き心地は良くありませんでした。
なお当時の雑誌においてこのモデルを1976年製としたものがありますが、つま先がレザーでベロがメッシュのものは1978年以降のモデルになり、1979年まで発売されます。
なおフォレストヒルズの付属品としてはご覧のものが販売されていました。
メッシュのインソールは交換品ですが、ハッキリ言って使わないといった感じです。それは靴下を履いたまま履くとすごく滑りやすいんです。実際にテニスで使用するとストロークの際、踏み込んだ足が滑って結構苦労しました。
またベンチレーションシステムですが、どんなに締めても通気性があり、水たまりで使用すると靴内に水が入ってくるほどのものでした。本当に晴れた日にしか使用できないシューズといった感じでした。
当時最初のフォレストヒルズは240gと言われ、つま先がレザーになると250gとされていたためメッシュのモデルの方が軽いというイメージがありましたが、今海外のカタログや広告をみると250gがほとんどで、中には280gの表記やポンド表記のものもあります。
ただ軽いのでテニスをするには非常に動きやすいシューズでした。
1983年 FOREST HILLS 通常レザー版
フォレストヒルズは1980年のオーストラリアによるカンガルー捕獲禁止による皮使用禁止にともない一度廃盤になります。
ところがたった1年でこの禁止が解除されます。これに伴いカンガルー皮の使用が再開されたのですが、ADIDASのテニスシューズでカンガルー皮を再度使用したのがグランドスラムになり、フォレストヒルズは通常のレザーとして再発売されます。このフォレストヒルズが正規販売の最終モデルになります。
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その他 FOREST HILLS
1977年にブラジルで製作・販売されたフォレストヒルズです。金ラインではなくデビスカップのような2列パンチ穴で出来ており、カンガルー皮ではない普通の牛皮で作られていました。
残念ながらPUソールですので加水分解で現存するものは残っていません。
1978年のフィリピン製のウインブルドンになります。フォレストヒルズでは無いんですが金ラインなので紹介しました。当時金ラインは非常に珍しいものでした。このシューズは日本でも販売されたのですが、完全な平行輸入で当時8,000円で売られていました。しかも確認できたのは1店だけで、名古屋・大阪・神戸でも販売されていませんでした。(私が当時訪ねたお店でですが・・・)
このシューズが売られていたのは、今でも存在している東京・御徒町にあるアートスポーツさんです。
今でも営業している店が存在しているのは本当にこのお店ぐらいです。ただ、今は元気が無いので、昔みたいに限定のシューズを扱って頂けるよう頑張って欲しいお店です。
よくアートスポーツさん入荷してくれました。ただ西ドイツ製のウインブルドンに比べインソールは良く無かったですが、普段履きとしてはすごく気に入って履いていました。復刻してくれないですかね。
ADIDAS FOREST HILLS 復刻版
2005年に復刻されたフォレストヒルズ72の初期モデルです。
金ライン以外も復刻されました。
白ベース以外も復刻されています。
シルバーとゴールドは結構売れ残ったモデルになります。
こちらは2015年に復刻されたフォレストヒルズ72になります。ライン横にモデル名が入るのが特徴です。まだこちらのモデルであれば履けるものは存在しますが、購入には加水分解に注意です。
2012年に復刻された70年代後半のフォレストヒルズです。
ベロはメッシュ使用になっていますので78年から79年にかけてのモデルほ復刻になります。個人的には1977年のつま先もメッシュのモデルの方が好きなんですがね・・・
最近は復刻されていないので、そろそろ再販を期待したいところです。
ただあまり売れないですかね、軽いだけでクッションはウインブルドンに負けますからね。
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